「白い農地」原状回復に26億円超 一関・違反転用疑いの50戸

 

 一関市内に点在する石灰の石や砂で盛り土され、耕作できない白い農地の是正措置について、違反転用の疑いがある16.3ヘクタール(所有50戸)を原則通り、原状回復した場合、費用は26億円を超える見通しであることが6日、関係者への取材で分かった。

 1戸当たり5千万円を超える巨額となり、既に農業関係の交付金返還を迫られる土地所有者に負担を求めた場合、財力的にも是正できない可能性が出てきた。ただ、別の工法を採用した場合、費用は2億円程度まで圧縮できるという。

 元の農地に戻す原状回復(図A)は盛り土した石や砂の全量を撤去しなければならないため多額となる。農業土木に精通する市議会調査特別委員会の佐藤敬一郎副委員長によると、費用は盛り土した体積に、1立方メートル当たりの掘削やダンプへの積み込み、運搬の経費(単価)を乗じて算出するのが一般的という。

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