来年度の英国債発行、長期債の重要性低下 需要反映=管理庁長官

David Milliken

[ロンドン 6日 ロイター] - 英国債管理庁(DMO)のスティーマン長官は2024/25年度の国債発行計画について、短・中期債に比べて長期債の重要性をやや低くみていることを明らかにした。

DMOは6日、24/25年度に2650億ポンド(3380億ドル)の国債を発行すると発表した。コロナ対応で発行額が膨らんだ20/21年度の4860億ポンドに次ぐ過去2番目の大きさとなる。前年度は2320億ポンドだった。

国債発行計画はハント財務相の予算編成方針に沿ったもので、公的債務は28/29年度までに2兆4000億ポンドから3兆ポンドに増加する見込み。

英政府の国債発行は歴史的に償還期間が15年を超える超長期債が中心だった。しかし来年度の超長期債の発行は490億ポンドと高水準だが、全体に占める割合は18.5%と前年度の22.3%から低下し過去最低となった。

スティーマン氏は「長期・超長期債の需要が市場で徐々にではあるがはっきりと減少しているとの見方があり、われわれも考慮に入れている」と説明した。

需要の減少は長期的かつ緩やかなものだと述べ、負債に見合った長期資産の保有を義務付けられている確定給付年金基金の役割が縮小していることが一因と指摘した。

償還期間が短い債券は投資家層が広く大量の発行が容易であることや、国債の利回り曲線が昨年7月以降スティープ化し、長期債の発行コストが相対的に高くなっていることも要因と分析した。

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