3月廃校の福井市殿下中学校…新たな出発応援して 地区住民が記念誌、5月には“同窓会”を開催

返礼品にもなっているオリジナルTシャツを手に寄付を呼びかける護城一哉さん=2月21日、福井県福井市武周町

 3月末で廃校となる福井県福井市の殿下中学校の地区住民が、記念誌発行やイベント開催に向け、福井県に特化したクラウドファンディング(CF)「ミラカナ」で3月20日まで資金を募っている。地区の歩みを振り返るとともに、新たな出発を応援してほしいと呼びかけている。

 昨年7月に「殿下校思い出ツナグプロジェクト」(殿プロ)を発足させ、廃校後も未来につながる企画を練ってきた。記念誌には卒業生らから寄せられたメッセージや写真のほか、年表などを掲載する。殿プロの公式サイトで資料提供やアンケートの協力を随時受け付けている。

 5月4日には同校で「絆分校 開校式」と銘打った“同窓会”を行う。校庭に人文字をつくりドローンで撮影したり、殿下公民館への改装工事が今夏から始まる中学校舎の壁や天井に、ペンキやマジックでメッセージを書き込んだりする。ネット販売のサイトも立ち上げており、殿下小中の校章をモチーフにデザインしたTシャツやパーカーなどを販売している。

 事務局を務める西雲寺住職の護城一哉さん(53)は「開校式は地区の新たなスタート。皆さんに殿下での思い出を振り返ってもらい、応援いただけたら」と話している。

 CFの目標額は100万円。寄付金額は3千円~10万円。記念グッズのほか、地区の郷土料理「葉ずし」などを返礼品に用意している。支援は「ミラカナ」の特設ページから。

 ◇ミラカナとは 福井県に特化したクラウドファンディング(CF)サービス。県内でプロジェクトを始める人の資金調達を応援するプラットフォームとして福井新聞社、福井銀行、福邦銀行が連携。CFのレディーフォー、応援購入サービスのマクアケいずれかを通じて支援・購入を募る。累計支援額は2億1千万円、プロジェクトの達成率は91%(数字は2023年末時点)。

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