世界初の手術に成功…極めて珍しい症例「右肺動脈大動脈起始症」に「右肺動静脈瘻」「高度肺高血圧」を合併 島根大学医学部附属病院

世界初の手術の成功例だということです。
島根県出雲市にある島根大学医学部附属病院は7日、極めて珍しい症例の患者の手術に世界で初めて成功したと発表しました。

島根大学医学部附属病院 中田朋宏 医師
「この病気自体は非常にまれで、先天性心疾患の中でも、1%以下の頻度」

患者は出雲市に住む37歳の女性で、心臓から左右の肺に向かう肺動脈が先天的にうまく形成されず、左の肺のみにつながっていて、右の肺には全身に血液を送る大動脈から分岐して血液が流れるようになっていたため、心臓や肺に無理がかかっていました。

このため中田医師は去年の夏に右の肺を大動脈から切り離し、人工血管で本来の肺動脈につなぐ手術を行い、女性は1か月ほどで退院しました。

島大附属病院によると、女性には肺血管に関する合併症もあり、この心臓疾患と合わせての手術成功、完治は世界初だということです。

島根大学医学部附属病院 中田朋宏 医師
「右肺動脈大動脈起始症と肺動静脈瘻を合併したものに手術をして肺動静脈瘻までしっかり治ったのが初めて」

退院した女性は「今は日常生活が送れ、車の運転もできるまで回復しています。仕事ができるように頑張りたい」とコメントしています。

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