オスプレイ墜落事故、対応に当たった屋久島町に防衛省から1360万円 施設利用料や人件費で 町の試算の倍以上

墜落したオスプレイの機体の一部とみられる漂流物=2023年11月30日、屋久島町の安房港

 昨年11月に鹿児島県屋久島沖で発生した米空軍輸送機CV22オスプレイ墜落事故で、防衛省が地元の屋久島町に対し、公共施設使用料や人件費として計約1360万円を支払うことが7日、町への取材で分かった。町の試算を800万円程度上回っており、差額は一般財源に繰り入れるなどして活用する。

 事故では搭乗員の救助・捜索や機体回収で町役場旧本庁舎に対策本部が置かれ、体育館、公民館など4施設が陸上自衛隊の宿泊場所になった。引き揚げられた機体残骸の保管場所を含め、同省は施設使用料に約750万円(町試算約260万円)、町のトラック2台の使用に57万円と算出したという。

 町職員も動員されたため、同省は日中の業務時間を含めて時間外勤務として534万円を充てた。町は実際の時間外勤務手当を232万円とし、差額を一般財源に繰り入れた。関連経費を計上した2023年度一般会計補正予算案が同日の町議会で可決された。

 米国防総省が近くオスプレイの飛行停止措置を解除するとの報道について、町は「報道は知っているが、こちらにまだ説明はない」としている。

 事故は昨年11月29日、岩国基地(山口)から嘉手納基地(沖縄)に向かう途中で発生した。米軍は全搭乗者8人の死亡を認定し、7人の遺体と機体の残骸を収容。今年1月に捜索を打ち切った。

オスプレイ事故の対策本部が置かれた屋久島町役場旧本庁舎=2023年12月6日、同町小瀬田

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