【シンガポール】治験支援バズリーチ、現地AI企業と提携[医薬]

治験支援サービスを手がけるバズリーチはシンガポールのディープ・インテリジェント・ファーマと戦略的パートナーシップを結んだ(バズリーチ提供)

治験支援サービスを手がけるベンチャー企業のバズリーチ(Buzzreach、東京都港区)は、新薬の研究開発向けの人工知能(AI)プラットフォームを提供するシンガポールのディープ・インテリジェント・ファーマと戦略的パートナーシップを結んだ。日本の臨床試験分野で業務効率化を支援する。

バズリーチは2017年設立。治験実施医療機関と治験参加患者をつなげるITプラットフォームを展開している。治験実施医療機関の治験業務、プロジェクトを一元的に管理できるプラットフォームの運用も新たに開始した。

ディープ・インテリジェント・ファーマは17年設立。新薬の研究開発に必要な全てのプロセスをカバーする生成AIプラットフォームを開発している。大規模言語モデル(LLM)を活用し、臨床試験関連文書を効率的に処理する基幹プラットフォームなどを提供。世界の製薬会社やバイオ技術企業、医薬品開発業務受託機関(CRO)など650社超を顧客に持つ。

両社は今回の提携を通じ、日本の臨床試験プロセスで最先端のAIやGPT(人間のように自然な文章を生成できる言語モデル)の導入を加速させるなどして、臨床試験分野での業務効率化を支援したい考えだ。国際共同治験のコスト面での課題解決や迅速化を促し、同治験で日本がより多くの参画機会を得られるようにする。

具体的には、サイトスタートアップ(治験実施施設立ち上げの専門職)による文書の翻訳や生成、臨床試験の運用段階に入ってからの候補患者のスクリーニングなどをAIを使って効率化する。

ディープ・インテリジェント・ファーマがアジア太平洋地域に持つ顧客企業なども対象にしており、今年3月までに開始予定の臨床試験・研究で概念実証(PoC)の実装を促す。

バズリーチ内でも社内業務などで大規模言語モデルの導入を検討する。

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