「墓で一緒になれるので喜んでいると思う」旧ソ連シベリア抑留 栄養失調で30歳の若さで亡くなった一等兵士の遺骨が遺族のもとへ

第二次世界大戦後、旧ソ連のシベリアに抑留され死亡した元兵士の遺骨が遺族の元に帰りました。

遺骨伝達遺族の元に帰ってきたのは、現在の廿日市市出身で、シベリアで亡くなった松田宗三さんの遺骨です。孫の浩和さんに手渡されました。

一等兵だった宗三さんは、戦後ソ連に抑留されました。そして、1945年12月に栄養失調のため亡くなったということです。30歳でした。

政府は2001年からチタ州にあるカダラ村墓地で4年に渡って遺骨を収集していました。その後のDNA鑑定の結果収集された遺骨のひとつが宗三さんのものと判明しました。

これまでに、宗三さんのものではないという結果が出たこともありましたが、鑑定の精度が上がったため、この度、「遺族との親族関係が存在する」と連絡がありました。

5年ほど前に亡くなった宗三さんの長男・紀雄さんは、生前、父を思ってシベリアを訪問したそうです。帰国して、「現地に行くことができてよかった」と周囲に話していたといいます。妻の節子さんは、紀雄さんに父の帰宅を報告しました。

節子さん(紀雄さんの)妻
「主人がもうちょっと長生きしてくれてたえら、会えたかと思うんですけど、それがちょっと残念です。みなさんのおかげでね、探してもらったんだから。感謝しております」

浩和さん(宗三さんの孫・紀雄さんの長男)
「お墓ですけど、墓で一緒になれるんで喜んでるんじゃないかなと思います」

節子さん
「私が写真に笑顔でしゃべったら、なんかこっちも笑って返ってくるような気がして…」

戻ってきた宗三さんの遺骨は、3月中に法事を営み、家族の墓に納めるということです。

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