中国の5%成長目標、市場は追加刺激策が必須との見方

Anisha Sircar

[7日 ロイター] - 中国の李強首相は、全国人民代表大会(全人代)における政府活動報告で2024年の国内総生産(GDP)成長率目標を昨年と同じ「5%前後」に設定した。市場関係者からは、この目標が野心的な水準で、金融や財政、規制面での追加的な刺激策が打ち出されることが達成の必要条件だとの見方が出ている。

イーストスプリング・インベストメンツを率いるビル・マルドナド氏はロイター・グローバル・マーケッツ・フォーラムで、目標実現には追加策が発表されることが不可欠だと語った。

華泰資産管理のシュヤン・フェン氏は、李強氏の政府活動報告で示された幾つかの措置が期待に届かなかったと指摘。外国人投資家はこの報告のどこにも明るい材料を見出せなかったと述べた。

フェン氏によると、中国の財政政策と政権の情報発信のスタイルには不安があり、特に待望されている不動産セクターの救済策に関して新たな内容が出てこない点に落胆しているという。

キャピタル・ドット・コムのシニア市場アナリスト、カイル・ロッダ氏も、政府活動報告からは、短期的でカウンターシクリカルな政策運営へ切り替えようとする姿勢がうかがえなかったと説明した。

こうした中でイーストスプリングのマルドナド氏は、現在の環境に対応して中国投資をする場合は、電気自動車(EV)のサプライチェーン(供給網)、環境技術、半導体といった政策面で重視されるセクターに資金を集中する戦略的なアプローチがふさわしいと主張した。

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