認知症の人や障害のある人らが前向きに生きる糧として制作した臨床美術の作品展「生きるを励ますアート」が6日、京都市中京区の堀川御池ギャラリーで始まった。
臨床美術は芸術療法(アートセラピー)の一つで、1996年に埼玉県で始まった。制作や出来栄えを話し合う鑑賞会を通じ、自分を認め、他者に共感を得てもらうことを目的とする。
今回は京都府内の臨床美術士や医師らでつくる団体「ART Along(アート・アロング)」(西京区)が企画。同団体は府立医科大付属病院と連携し、認知症の人と家族に臨床美術講座を14年間実施している。
「太陽の輝き」をテーマに認知症の人たちが作ったオブジェは、紙に線を引き、切り取ってから着色した。「手を動かしながら面白さを見つける」作業を通じて、赤色や金色が縦横に描かれ、太陽の力強さが表現されている。
会場には、障害者や元薬物中毒者、保育園児ら、さまざまな人が手がけた絵画やオブジェなど約320点が並ぶ。フルイミエコ代表理事は「アート本来の良さである五感が表現に反映された作品に触れてほしい」と話す。10日まで。無料。