移住後、理想の暮らしとのミスマッチ防げ! 竹田市が2泊3日の事前体験ツアー【大分県】

インターンシップツアーを利用して竹田市に移住した3人(前列)と就職先の事業所関係者ら=2月中旬、竹田市役所

 【竹田】移住後に理想の暮らしとのミスマッチが生じないよう、竹田市は移住希望者が仕事や住民との交流などを事前に体験できるインターンシップツアーを開催している。参加者は仕事型、地域体験型の各種プログラムを組み合わせ、2泊3日を基本に滞在。本年度スタートしてこれまで6件の利用があり、うち3組が移り住んだという。

 仕事型は移住者の採用に前向きな食品、電気、自動車整備、小売り、医療など10事業所から選んで書類審査を受けた後、就職面談も兼ねた就業体験をする。

 地域体験型は▽市移住定住支援センターが紹介する空き家見学▽移住者が営む宿泊施設での接客▽たけた竹灯籠「竹楽」の作業参加▽明治地区住民との交流―の五つのメニューから選べる。人間関係をつくっておくことで移住後の生活がスムーズになるという。

 ツアーの運営はウェブシステム開発などを手がけるアジアンブリッジ(東京都)に委託。同社のサイト「キャリターン」で昨年7月から募集を始めた。宿泊、交通費は参加者が負担。市内の宿泊には補助が出る。

 2月中旬、ツアーを利用して建設業や養鶏業に就職、移住した3人が市役所に土居昌弘市長を訪ねた。

 養鶏業「グリーンファーム久住」で働く飯田将さん(42)は昨年8月、グリーン社のカフェで業務を体験。同センターによる住居探しの支援や病院などの施設案内も受け、9月に福岡県から移り住んだ。「竹田での生活が具体的にイメージできた。実際に住むと、人の温かさが印象的」と飯田さん。

 担当する市総合政策課の重石和紀副主幹(41)は「地域と事業者、行政の三位一体の施策で、長く竹田市で暮らしてほしい。市内には魅力的な企業があり、市出身者のUターンにも活用してもらえれば」と話した。

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