「ガンジー像」どこへ

 〈あす死ぬかのように生きよ、永遠に生きるかのように学べ〉〈非暴力は人間に与えられた最大の武器であり、人間が発明した最強の武器よりも強い力を持つ〉〈「目には目を」では全世界を盲目にするだけ〉▲どんな人物なのだろう-と改めて少し調べただけで、彼が残したとされる数々の名言に出合った。誕生日の10月2日は国連の「国際非暴力デー」に定められている。「非暴力・不服従」の哲学が世界的に知られる「インド独立の父」マハトマ・ガンジー▲インド政府から長崎市に寄贈されることになった彼の「胸像」が混乱を引き起こしている。平和公園はNG、いったん固まった同市の中島川沿いは再考…など一連の経過は既報の通り▲鈴木史朗市長が長文のSNS投稿で経緯を説明している。〈多くの市民の皆様から疑問や戸惑いの声をいただいた〉〈近隣住民、関係者との調整など不十分な点があった〉〈より歓迎される形での受贈を模索したい〉…ちょっとした“迷惑施設”扱いが気になるのは当欄だけか▲ガンジーと言えば…誰かが怒りの甚だしさを表現した「ガンジーが助走して殴るレベル」とのフレーズがネット上で広く笑いを誘ったことがある▲地球規模の偉人だ。非礼は避けたい。空の上で助走が始まる前に設置場所は決まるだろうか。(智)

© 株式会社長崎新聞社