県が西川、真室川、飯豊の3町などで取り組むオンライン診療モデル事業の意見交換会が7日、県庁で開かれ、医療関係者らが成果や課題を共有した。
モデル事業は居住地域にかかわらず、質の高い医療を受けられる環境づくりに向け、2022年度から実施している。山間部などのへき地診療所と拠点病院をオンラインで結び、患者は診療所で看護師の補助を受けながらタブレット端末での問診後、ビデオ通話で診療を受ける。西川町では本年度、患者が自力でスマートフォンアプリを使い受診後、発行された処方箋を基に、オンラインで薬剤師の服薬指導が受けられる仕組みの試行も行われた。
意見交換会では、本年度の実施状況を踏まえたアンケート結果が示され、病院側から「医師が現地に行けない場合の代替手段となる」、患者から「普段と変わらない会話ができた」など一定の有用性を認める意見が出された。医療関係者からは「採算性を考えると、民間病院で導入するのは難しいのでは」「薬の配送料など、新たに生じる経費は誰が負担するのか」といった課題も挙げられた。
モデル事業は24年度も西川、飯豊の両町で継続する。国の方針を踏まえ、へき地診療所以外の公民館、集会所などでのオンライン診療体制整備にも取り組む。