製品や技術、海外市場へPR 長崎県航空機産業クラスター協議会、シンガポールエアショー2024に初参加

シンガポールエアショーに出展した県航空機産業クラスター協議会のブース(県企業振興課提供)

 長崎県航空機産業クラスター協議会は2月、アジア最大の航空展示会「シンガポールエアショー2024」に初めて参加した。今後の海外市場への本格参入を見据え、県内企業が自社の製品や技術をPRした。
 2年に一度開かれる同展示会は、2月20~25日にあり、60カ国以上の企業、約1万3千人の業界関係者が参加した。同協議会は経済産業省のパビリオンに会員企業のウラノ、三菱長崎機工、東洋鍛工が出展し、複数の航空機メーカー、エンジンメーカーと商談した。県によると、米航空機大手ボーイングが具体的な部品発注を想定して、会員企業を後日訪問する意向を示した。
 同協議会は、成長が見込まれる航空機産業を、造船に続く新たな基幹産業へ育てようと2018年に発足した。サプライチェーン(供給網)構築と新規取引開拓を推進し、昨年の関連産業の県内売上高は200億円を超える見込みだ。
 航空宇宙メーカーの国内市場は、世界の5%未満に過ぎず、今後は海外メーカーからの受注獲得が焦点となる。海外メーカーが求める脱炭素やデジタルトランスフォーメーション(DX)への対応も課題だ。県企業振興課は「展示会の参加は本県企業の新たなチャンスとなると同時に世界のレベルを知る機会になった。引き続き、海外メーカーとの直接取引につながる支援をしていきたい」としている。

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