ギンザケの卵、岩手で生産 養殖サーモンの増産を下支え

 

 岩手県沿岸のギンザケの海面養殖に供給する卵の生産体制が、県内水面水産技術センター(八幡平市、野呂忠勝所長)によって構築された。北海道や輸入に依存していたが、県内生産で安定供給や輸送コストの削減につながる。東日本大震災から間もなく13年。記録的な不漁がなりわいの再生に影を落とす中、収入源として期待される養殖サーモンの増産を下支えする。

 卵の生産と販売は2023年度、県内水面養殖漁協に委託して始めた。センターのいけすで飼育した親魚から11~12月に採卵し、ふ化が近い「発眼卵」に育て、翌1月までに県内の内水面養殖業者に送った。23年度は約136万粒の出荷を実現した。

 県内の海面養殖の増産には卵の安定調達が必要で、センターと漁協は22年度、試験生産を実施。水揚げベースで約千トン分となる発眼卵156万粒を業者に配布し、体制構築につなげた。

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