小学校は1校に…児童数52人の長瀞第二小学校、150年の歴史に幕 保護者、卒業生らも出席300人が校舎に別れ

児童や卒業生らが参加したバルーンリリース=2日午前、埼玉県長瀞町立長瀞第二小学校

 今月末で開校150年の歴史に幕を閉じる埼玉県長瀞町野上下郷の町立長瀞第二小学校(神田卓也校長、児童数52人)で2日、閉校記念式典が行われた。児童、職員、保護者、同校の卒業生ら約300人が校歌斉唱や記念撮影、風船を飛ばす「バルーンリリース」などに参加し、思い出深い校舎に別れを告げた。4月から同校と町立長瀞第一小(同町本野上)が統合し、町内の小学校は1校になる。

 長瀞第二小は1873年に創立した野上下郷学校が前身。「長瀞」に町名変更した1972年から現在の校名になった。90年代までは200人ほど在籍していたが、少子化の影響で児童数減少が続き、2022年度から複式学級を導入した。

 式典で大沢タキ江町長は「長年培ってきた伝統は、皆さんの心の中でずっと輝き続けていく」とあいさつ。児童会長で6年生の田島翔琉さん(12)は「思い出が詰まった学校がなくなってしまうのは寂しいが、代々の卒業生たちとの『共通の話題』は尽きず、今後もつながり続けていられることに感謝したい」と思いを語った。

 式典後は閉校記念碑除幕式や記念コンサート、歴史を振り返るスライドショーなどが開催され、母校への惜別と感謝の思いを全員で共有した。

 稲刈りや里芋掘りなど、児童たちの農業体験学習に13年間協力してきた、学校応援団の染野亘志(のぶゆき)さん(77)は「地域一体で子どもたちの成長を見守ってきたので、学校が閉じるのはやはり寂しい。来年度以降も児童たちと交流できる場があれば、協力していきたい」と話していた。

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