防災意識向上へ 都内各地で災害対応訓練 いつ起こるか分からない震災に備え

来週月曜日、東日本大震災から14年となります。今年は年明け早々に能登半島地震も発生しました。都内では3月7日、安心安全な街を目指し震災への備えとして、様々な災害対応訓練が行われました。

浅草雷門前で実施された訓練で、地元の小学生たちが話していたのは…
(英語)「一時滞在施設はあちらになります」

英語を使って外国人たちに避難を呼び掛けました。都内有数の観光名所である浅草は外国人観光客が多く訪れることもあり、毎年多言語での訓練が行われています。今年は台東区内に震度6強の地震が発生し交通機関がストップした想定で実施された訓練には、外国人留学生や地元の小学生など約800人が参加しました。

訓練を主催した浅草観光連盟は、能登半島地震で小学生たちが被災者支援をする姿を見たことがきっかけで、今年初めて、地元の小学生による外国人向けの英語案内訓練を行ったということです。さらに新たな取り組みも…

記者:「スマートフォンがインターネットに繋がっていない状態でも、こちらのQRコードを読み取ると瞬時に多言語で災害情報が表示されます」

災害で通信障害が起きた時でも、英語や中国語などの多言語で災害情報を発信できるように、QRコードが試験導入されました。

スリランカ人:「(Q:この避難訓練は外国人にとって有意義だと思いますか?)はい、外国人にとってとても有意義だと思います。私の国では地震がなく、地震が発生した時にどうすればいいか分からなかったですが、今回の訓練を通じて分かりました」

バングラデシュ人:「母国では地震があまりなくてそんな体験はありませんでした。(今回の訓練を通して)周りの人たちに何かあったら助け合うことができるかなと思います」

一方、湾岸エリアでは・・

記者:「いま船が船着場に到着しました。陸路が寸断された場合などを想定し、必要物資の水上輸送の訓練が行なわれています」

東京都は3月7日、災害時における円滑な物資の輸送を目指し、大田区や港区など都内3カ所の船着場からそれぞれ別の船着場までの水路を使った輸送訓練を実施しました。訓練ではルートのほか、各船着場の着岸方法などが確認されました。都は災害時に水路を活用することで選択肢を増やし、迅速な物資運搬につなげたいとしています。

浅草で行なわれた訓練は地域一体で帰宅困難者対策を進めようと、今年で14回目の開催となりました。訓練を行なうきっかけとなったのが都内で最大震度5強を記録した2011年3月11日の震災です。浅草観光連盟によりますとあの日、浅草の街では多くの外国人観光客が訪れていたことから、避難誘導などがうまくいかず一時パニックとなってしまったそうです。その教訓を活かすべく、多言語での訓練を続けているということです。地域の特徴に合わせた震災対策が重要になりそうです。

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