学生がアップサイクルで社会課題を表現 渋谷109で古着のドレスを展示

「アップサイクル」という言葉をご存じでしょうか?廃棄予定のものに手を加えて価値をつけ新しい製品へと生まれ変わらせることで、リサイクルが製品を一度資源に戻すのに対し、製品の特徴を生かすという違いがあります。現在、渋谷109でファッション系の専門学生が社会課題をアップサイクルで表現したドレスなどの展示が行われています。学生が課題をどのように考え表現したのか取材しました。

若者文化の発信地・渋谷109のフロアの一角で、異質な雰囲気を放つドレスが飾られています。作品に使われているのは全て廃棄されるはずだった衣服などです。

渋谷区内にあるファッション専門学校「文化服装学院」の学生が、自分が身近に感じる社会課題をテーマに作品を制作しました。今年1月に開かれた作品の審査会。学生たちが思いを語りました。

学生:「自分がもしいま死んだらと想像したことがある人は多いかもしれません。死という存在は遠いようで実は意外と身近の存在であると言えます。そこで私たちが今回選択した社会課題は、Z世代の自殺です」

こちらのドレスのテーマは「若者の自殺」。暗い色の古着を細く刻むことで、若者の悩みと不安を表現しています。また、肩から胸元までに付けた飾りでハグを表し、常に誰かに守られているというメッセージが込められています。

今回、審査会で選ばれた上位14作品が109の店内の各フロアに展示されました。作品を見た人は…。

来場者:「すごい…」「一見見ただけではわからないですけど、社会課題とか書いてあるのを見て、こんな気持ちが込められているんだと思いました。ひとりひとりずつ個性があっていいと思います」

それではそのほか展示されている作品を紹介します。こちら、日常生活で感じる男女差別がテーマです。作品には男女両方を象徴とするモチーフのハートと星、そして赤と青が使われていて、男女関係なく自分の好きなことが自由にできる未来を作って行きたいというメッセージが込められています。

そして続いて、ブラック校則を表現した作品です。制服をベースに使っていますが、その枠にはまらないよう多くの装飾をつけました。この作品で、学校という場がもっと自分の個性を表現できる場所として過ごしやすいものになっていてほしいという思いが込められています。

こちらの展示は3月11日(月)まで行われます。

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