14日ぶり正常化…初日から空転、延会続いた和光市議会 「市民生活へ影響の恐れ」 31議案提出し審議入り

和光市役所=埼玉県和光市広沢

 埼玉県和光市の元保健福祉部長の詐欺事件に絡み、大島秀彦副市長に対する監督責任などを問う辞職勧告決議を巡り、本議会が開けない状態が続いた同市議会(富沢啓二議長、定数18)は7日、本議会を開催し、31議案が提案されるなど審議に入った。同市の3月議会は初日の2月22日から空転が続いていたが、14日ぶりに正常化した。

 同市議会は初日に同決議を可決。決議は同副市長の即時辞職と議会への出席を認めないことを勧告していることから、その後の本議会に同副市長が出席したことに決議に賛成した市議13人が反発し、退出したため延会。その後の本議会も同様の議事が繰り返され、空転が続いていた。

 柴崎光子市長は決議について、「事実誤認であり、容認できない。副市長は議会に出席する」と主張したため、議員は対応協議。市長は全員協議会で「事実誤認」などについて説明したが、議員が納得せず、再度の説明を求めたが、市長が応じなかったため、膠着(こうちゃく)状態が続いた。

 柴崎市長は5日、「市民生活へ影響が及ぶ恐れがある」として、富沢議長に議会開催の催告を求める文書を提出。これを受け、同市議会は6日、全員協議会で各会派の意見を集約。決議に賛成した数会派から「議場で議論を進めたい」と議場の対話を優先する意向が示された。

 富沢議長は議長催告を留保し、7日の本議会は全議員が出席したため、開催した。

 本議会再開後、決議賛成議員から緊急動議が出され、辞職勧告決議などに関する市長への質疑が行われた。市長は、決議の受け止め方について「前提となる条件が事実誤認」、事実誤認の根拠について「全協などで説明してきた」とこれまでの説明を繰り返した。その後、提出議案の報告と市長の施政方針演説、同方針に対する質疑が行われた。

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