笑顔で白山に別れ 輪島の中学3年73人 集団避難所を退所 

集団避難していた中学生を乗せ、輪島へ向かうバス=8日午前9時15分、白山市の石川県立白山青年の家

  ●メッセージボード手に「頑張って」

 能登半島地震で大きな被害を受けた輪島市の中学3年生73人が8日、白山市での集団避難を終え、滞在していた宿泊研修施設・石川県立白山青年の家を退所した。施設職員や学習支援の教員約20人が見送る中、生徒は笑顔を浮かべてバス3台に分かれて乗り込み、輪島へ出発した。9日に行われる各校の卒業式に出席する。

 午前8時半から退所式が行われ、生徒全員が平木外二所長ら職員に感謝を伝えた。「向こうでも頑張って」と職員に声を掛けられ、「頑張ります。ありがとうございます」と笑顔で答える生徒の姿も見られた。

 地元の白山市教委や、県外から派遣された応援教員らは「フレフレ輪島」「能登に光を」と書いた手製のメッセージボードを手に外に並び、生徒はバスの窓を開けて大声で「ありがとうございました」「さようなら」と叫んで手を振った。

 白山青年の家には輪島市輪島、東陽、門前の各中学校の3年生約100人が1月17日から身を寄せた。一部の生徒は既に地元に戻っている。1、2年生は卒業式に出席せず、3学期の末日をめどに避難を終える方向で調整している。

 金沢市の医王山スポーツセンターに集団避難している珠洲市の中学3年生12人は10日に同所を退去し、残る1、2年生も21日までに地元に帰る予定。

手製のメッセージボードを掲げ生徒を見送る教員

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