能登被災地、法律トラブル山積 相談500件、生活再建に支障

地震による大規模火災でほぼ全域が焼失した石川県輪島市の「輪島朝市」周辺=8日午前

 能登半島地震を受けて金沢弁護士会が実施している法律関連の無料電話相談への問い合わせが2月25日時点で350件以上に上り、日弁連にも165件の相談が寄せられていることが8日、分かった。内容は家屋倒壊に伴う補償や断水が続く賃貸住宅の家賃など多岐にわたるが、被害が大きい半島先端部の奥能登地方(輪島市、珠洲市、穴水町、能登町)で開業している弁護士は1人のみ。生活再建に欠かせない法的トラブル解決に向け課題が山積する。

 同弁護士会によると、詳しく分析できた2月6日までの相談226件の内訳は「隣家の倒壊で自分の車が破損した場合に賠償してもらうことはできるか」などの賠償に関する内容が61件で最多。罹災証明や支援金関連が各31件、断水などに伴う借家の賃料に関する支払いや徴収が30件、失業などによる借金返済の相談も10件あった。

 年代別では60代以上の相談が半数以上を占めた。

 地震後、奥能登地方の弁護士2人のうち1人は業務継続が困難となり事務所を閉鎖し、被災者の司法サービスへのアクセス改善は喫緊の課題だ。

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