退職時に「菓子折り」渡すのは面倒 上司や同僚に挨拶、社外にはメール...辞める時のベストなマナー

退職時の挨拶で、菓子折りを社員に配るのが面倒くさい――。転職情報サイト「転職サイト比較Plus」の調査結果でも、退職時に菓子を配らなかった理由の第1位が「面倒くさかった」だった。

退職時の「マナー」とされる行為は、ほかにも。社内外に向けた退職の挨拶を例に挙げるウェブ記事も複数みられる。実際に退職を経験した人は、どうしていたのだろうか。J-CASTニュースBizは、複数人に話を聞いた。

「やりたい人だけやれば」「やるべき」

前出「転職サイト比較Plus」の調査結果は、2020年6月9日に発表。20~59歳の退職経験者474人のうち、お菓子を配ったことがないのは54%だった。「面倒くさかった」(20%)が最も多く、次いで「お金がかかる」(16%)「職場が嫌い」(16%)だった。

「退職時に菓子折りは配らなかった」。取材にこう話すのは、メディア業界から転職した男性Aさん。社内に約100人の対象者がおり、出費がかさむと思ったからだ。他部署とも交流があったため、自分の部署だけに配ることはしなかった。

代わりに約100人に挨拶し、社外にも退職メールを送った。社内挨拶と社外メールは礼儀として必要だという。一方、菓子折りは「『退職時に自らの財産を減らすのが義務』になって良くないので、やりたい人だけやるべき」との話だ。

広告代理店から転職した男性Bさんは、菓子折りも社内外向けの退職メールも送った。さらに、クライアントとの飲み会も実施した。退職のマナーについて、こう語る。

「面倒くさいし、菓子折りを買うのも自腹なので、お金がもったいないというのはありますが、社会人としてのマナーとして、実施しておくべきものだと思います」

「辞める会社やその社員との関係性による」

菓子折りや挨拶メールは「必ずしも必要ではない」と述べる人も。IT業界から転職した女性Cさんは、菓子折りを配った。理由は「配った方が無難」「お世話になった人には感謝を伝えたかった」からだ。退職時のマナーについては、次のように述べる。

「辞める会社やその社員との関係性によると思います。お世話になった・感謝しているといった気持ちがあれば菓子折りも良いものを選んだり、挨拶メールも丁寧に書いたりしますが、そうでなければ雑になります」

会社に菓子折りを配る文化がなかった人もいる。専門商社から転職した男性Dさんは、社外向け挨拶メールは送り、上司には最後に感謝を伝えて退職した。菓子折りなどのマナーがなかったため、「丁寧な慣習だと思います」と話す。一方、次のようにも語った。

「必ずしも退職が受け入れられるわけでなく、『裏切者』という視線で見てくる職場もあるため、求められてなければ必要ない気もします」

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