夫婦別姓求め提訴 長野県の2人も原告に「子の世代まで問題残したくない」 選択的夫婦別姓制度を要望

東京地裁前(8日午前10時ごろ)

婚姻関係にある夫婦が別々の姓を名乗る夫婦別姓を認めないのは憲法違反だとして、長野県内の2人を含む男女12人が提訴しました。会見では、結婚しても好きな姓を選べる「選択的夫婦別姓制度」の導入も求めました。

「夫婦別姓も選べる社会へ」と書かれた横断幕。東京地裁と札幌地裁に提訴したのは、県内の2人を含む男女12人の原告団です。

「夫婦別姓を認めないのは個人の尊重などを定めた憲法に違反する」として国に損害賠償などを求めています。

原告団(上伊那郡在住)・小池幸夫さん:
「今でもこの瞬間、自分の姓を名乗れずに苦しい思い、悲しい思いをしている人、それが原因で結婚できずにいる人がいっぱいいる」

原告団に参加した内山由香里さんと小池幸夫さん

原告団に参加している上伊那郡在住の小池幸夫さん(66)と内山由香里さん(56)夫婦。互いに別の姓を使うため、婚姻関係のない「事実婚」で生活しています。

子どもは3人いますが、親子関係を証明するため、産まれるタイミングで結婚し、出産後に離婚することを繰り返してきました。

原告団に参加・内山由香里さん:
「名字が違うことで一体感が失われることは一切なかった。子どもたちの世代まで同じ問題を残したくない。何か自分でもできることがあればしたいなと(訴訟に)参加することにした」

会見する原告団の小池幸夫さん(8日)

夫婦別姓を巡っては、最高裁が2度、「合憲」と判断しています。

今回は3回目の提訴で、原告団は、「社会は変化し、婚姻前の姓を使用する必要性が高まっている」などと訴えています。

原告団(上伊那郡在住)・小池幸夫さん:
「別姓にすることで不幸になる人は絶対に1人もいないと思う。裁判を起こしたが、一番の願いは早急に法改正がされ、選択的夫婦別姓が認められること」

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