5人死亡64人重軽傷の日比谷線脱線事故から24年 東京メトロ、慰霊碑に安全運行の誓う

日比谷線の脱線事故から24年となり、「安全の誓い」を黙読する東京メトロの川澄俊文会長(手前)と山村明義社長=8日午前、東京都目黒区(代表撮影)

 営団地下鉄(現東京メトロ)日比谷線の電車が脱線し乗客5人が死亡、64人が重軽傷を負った事故から24年となった8日、東京メトロの山村明義社長ら役員が東京都目黒区の現場近くの慰霊碑を訪れ、献花した。

 通勤電車が行き交う中、発生時刻の午前9時1分に合わせ花を手向け、二度と大事故を繰り返さないと刻まれた「安全の誓い」を黙読した。山村社長は記者団に「事故後に入社した社員が7割を超えている。公共交通機関にとって安全確保は最重要の使命。ハード面の整備と安全意識の向上を両輪で進める」と述べた。

 出勤途中に事故に巻き込まれ犠牲となった南日本新聞社社員の槙保代さん=当時(37)、南大隅町出身=のいとこ平久美子さん(51)=埼玉県富士見市=は「保代さんの時間は24年前で止まったまま。時代の移り変わりや変化を見たかっただろうなと思う」とし、「事業者は過信することなく安全運行に向けた努力を続けてほしい」と話した。

 事故は2000年3月8日に発生。恵比寿駅から中目黒方向に向かっていた電車の最後尾がカーブで脱線し対向の電車に衝突した。

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