「闇から闇に葬られるのでは」 横浜・中2女子いじめ自殺、ずさん対応に両親は不信感

亡くなった女子生徒の、「遺書」と書かれたノートを見せる石田弁護士=8日、横浜市役所

 横浜市立中学校2年の女子生徒がいじめを苦に自殺した問題で、第三者組織の調査によって、学校と市教育委員会のずさんな対応が明らかになった。被害への対応が後手に回った上、生徒が亡くなった後も調査を尽くさず、いじめと捉えずに報告書をまとめるなどし、遺族の強い不信感を招いた。

 〈ハブリや集団で悪口、体育のチーム戦でちょっとしたミスでばとう。私の行動を実きょうしたりこそこそ笑ったりするだけのもので、世の中の人たちにはいじめと判断されないようなものだと思います。それでも私にはつらかった〉

 「遺書」と書かれたノートに残された一節。亡くなる前月から生徒が書き始めたノートという。

 遺族代理人の石田達也弁護士はノートを持参し、会見に臨み、両親のコメントを読み上げた。

 〈亡くなった直後の学校の報告書には「いじめ」という文字が一つもなく、闇から闇に葬られるのではないかという強い不信感を抱きました…〉

 第三者組織が公表した報告書によると、生徒はからかいなどの被害を担任教諭に相談したが、組織的な対応はなされず、生徒はクラスで孤立を深め、不登校になった。

 生徒が亡くなった後、学校は背景を調べたが、生徒5人からしか聞き取りをしなかった。第三者組織は事実確認が不十分だったと指摘。また学校が取りまとめた報告書案には「いじめ」の表記があったものの、学校教育事務所が校内全体に認知されていなかったとの理由で削除するよう指導したという。   

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