米2月雇用統計、FRBは利下げ急がずとの見方裏付け

[8日 ロイター] - 米労働省が発表した2月の雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を上回ったものの、労働市場全体が冷え込む兆しが示され、利下げ開始時期を検討している米連邦準備理事会(FRB)が当面静観するとの見方が裏付けられた。

2月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数は前月比27万5000人増加と、市場予想(20万人増)を上回った。

一方で、12・1月分が下方改定され、雇用の伸びが引き続き鈍化していることを示唆。失業率は3.9%と過去2年間で最も高い水準に悪化した。

また、賃金の伸びは引き続き緩やかに鈍化。2月は前年同月比4.3%上昇と1月の4.4%上昇から低下した。FRB当局者は賃金の伸びが依然として2%のインフレ目標と一致する水準ではないと見ているものの、正しい方向に進んでいるとしている。

エバーコアISIのクリシュナ・グハ副会長は、今回の雇用統計では労働市場は依然好調だが緩やかに緩和していることが示され、「実体経済の状況がインフレ率2%に向けて持続的に収束する状況とおおむね一致しており、6月までの利下げが適切であるという安心感をFRBに与える」と述べた。

フェデラルファンド(FF)金利先物が織り込む、6月半ばまでに利下げが開始される確率は80%。雇用統計発表前は75%だった。

4月30日─5月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが決定される確率は25%強と雇用統計発表前からほぼ変わらずだった。

市場では年末までに合計1%ポイントの利下げが実施されるとの見方が強まった。

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