【ガーデニング】失敗しない植物の形の組み合わせ方は? 吉谷桂子さんの寄せ植え作りQ&A

ひとつのコンテナに魅力的な植物世界を描き出す吉谷桂子さんの寄せ植え。植物選びからメンテナンスに至るまで、吉谷さんが実践している寄せ植え作りの基本の考え方とは? 今回は「メリハリのある寄せ植えを作るには?」「失敗しない植物の形の組み合わせ方は?」「こんもり茂る植物と組み合わせる植物は?」の3つの疑問にお答えいただきました。

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Q メリハリのある寄せ植えを作るには、どんな点に気をつければよいですか?

A サイズや形、色の濃淡など異なる要素を組み合わせて

植物の大小、形の違い、色の濃淡などが異なるものを組み合わせることでメリハリが生まれます。花だけでなく、とがった葉、丸い葉、手前に大きな形、奥に小さな形など、それぞれの植物について、引き立て合う形を意識して組み合わせるとよいでしょう。

黄色と紫という反対色で花色のメリハリをつけ、花の大小や葉色の濃淡でも個性の違いを際立たせている。

Q 失敗しない植物の形の組み合わせはありますか?

A 似た形の花や葉、姿を集めない。同系色の似たもの同士は離すこと

植物の草姿としては、上に伸びるものと横に広がるもの、垂れ下がるものを三拍子そろえるとバランスのよい寄せ植えができます。

花や葉の形でいえば、小さな点になるものや線形のもの、大きめな面になるものなど、植物の形を点・線・面として捉えるとメリハリが出ます。

同系色の寄せ植えでは、「似た形の植物を隣同士にしない」と決めると失敗が減ります。

オステオスペルマムとナスタチウムという面を意識させる花に、線形のアコルス ‘黄金’ やプレクトランサスの小葉が変化をつける。

Q パンジーやビオラ、ペチュニアなど、こんもりと茂る植物が好きなのですが、引き立て役の植物はどんなものを選んだらよいですか?

A 上に伸びたり垂れ下がる草姿や、サイズの違う花や形の違う葉の植物を

こんもり茂る植物を引き立てるには、上に、線のようにとんがるか、垂れ下がるものがよいでしょう。

ペチュニアだったら形の違う、花径より小さい、地味な色を考えて。私は、トリフォリウム(クローバー)などもよく使います。一緒に混ざり合うと素敵です。

また、明らかに形が違う線形のアコルス ‘黄金’ は根が太くまとめやすいので、根張りの旺盛なペチュニアには使いやすいようです。

上に伸びるセロシアに対して横に広がるミムラスやヒューケラ、垂れ下がるアイビーという草姿の異なる組み合わせ。
星咲きのペチュニアがあふれるように咲くバスケットから垂れ下がるアイビーが、寄せ植え全体に動きとスケール感を与える。

撮影/吉谷桂子

※この記事は『園芸ガイド』2013年春号の記事をWEB用に再編集したものです。


監修者
英国園芸研究家 吉谷桂子

英国園芸研究家、ガーデン&プロダクトデザイナー。英国暮らしの経験を生かしたガーデンライフを提案。「中之条ガーデンズ」「はままつフラワーパーク」など各地の庭を手がけ、また、ガーデニングプロダクトの企画、デザインも行っている。『花の楽しみ 育て方飾り方』(主婦の友社)など著書多数。

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