大分大学生が都町に「昼間カフェ」 客足回復へ女性経営者グループと連携【大分県】

華都会のメンバーの店舗で、昼間にカフェをオープンした学生ら。ランタンを手に出迎える。手前は華都会の佐藤理沙さん=大分市都町
来店客にクリームソーダを提供する学生
トレードマークのランタンと「ふんわり卵の絶品ハムトースト」

 【大分】大分市旦野原の大分大経済学部社会イノベーション学科・渡辺博子教授のゼミ生12人(3年)が7日、同市都町に飲食店「cafe lantern(ランタン)」をプレオープンした。都町の女性経営者グループ「華都会(はなみやかい)」と手を取り合って、都町の活性化につなげていく。本格的なオープンは6月から月1回の予定。

 きっかけは昨年12月、「ベンチャー実践論」の一環として、大学と県、華都会が連携し都町の活性化をテーマに講座を開いたこと。華都会は新型コロナウイルス禍前のようには客足が戻らない現状を説明。学生に打開に向けたアイデアを聞いた。

 「昼間は大学生に店舗を貸してカフェにし、夜に限定されない街づくりをする」という発想を提案したグループが受講直後から、実現に向けて動き始めた。

 プロジェクトリーダーの佐々木千夏さん(21)、松尾侑依(ゆい)さん(21)ら学生は、カフェのコンセプトやメニュー考案、対外的な交渉、買い出し、交流サイト(SNS)での発信などに取り組んだ。店名は「世代や地域、異業種をつなぎ、多様な社会の『ともしび』になろう」という意味を込めたという。

 プレオープンは華都会事務局の佐藤理沙さん(モモカ代表取締役)の店舗で午前11時から午後4時半まで営業した。メニューは「ふんわり卵の絶品ハムトースト」(税込み600円)、クリームソーダ(同350円)など5種類。来店した大分大経済学部同窓会「四極会」事務局の大園広子さんは「若いエネルギーと知恵で頑張ってほしい」とエールを送る。

 佐々木さんらは「お客さんが入店と同時にランタンを手渡す。明かりを見ながら、ゆっくりとくつろいでほしい。学生にとって近寄りにくい都町のイメージを変えたい」と意気込む。

 佐藤さんは「いい試み。都町が変わるきっかけになれば」と期待する。渡辺教授は「大分を愛する人たちをどうつなげるか。周囲の方々の支援に感謝し、課題解決の方法を学んでほしい」と話した。

 今回は試験的なオープンで6月まで営業の予定はない。今後の情報はインスタグラムで発信する。

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