「一年漁師」若者取り込む 天洋丸(長崎・雲仙)に農林水産大臣賞 全国青年・女性漁業者交流大会

最高賞の農林水産大臣賞を受けた天洋丸の竹下社長(左)と檜森さん=東京都、ホテルグランドアーク半蔵門(天洋丸提供)

 今月6、7日に東京で開かれた第29回全国青年・女性漁業者交流大会(全国漁業協同組合連合会主催)で、長崎県雲仙市南串山町の巻き網漁業会社「天洋丸」による期間限定の漁師募集企画「一年漁師」の報告が、地域活性化部門で最高賞の農林水産大臣賞に輝いた。
 同社は、コロナ禍で働き方を見直す機運が高まった2021年、気軽に漁師として働ける「一年漁師」を企画。これまで体験した3人(男性1、女性2)のうち女性1人は正社員採用された。本年度の一年漁師、檜森友香子さん(24)=佐賀県出身=は漁師の仕事のほか、停泊中の漁船をワーケーションの場に活用する「漁船ピング」の内装を担当するなど、漁業に興味を持つ人を増やす取り組みをしてきた。
 同部門には全国6団体が参加。同社の竹下千代太社長(59)と檜森さんは「一年漁師 寄り道から始まるつながり」と題して発表した。企画の斬新さや、体験者が交流サイト(SNS)で活動を発信して次年度の希望者が応募する連鎖反応があり、外部の若者を取り込んで地域活性化につながっている点が評価された。
 竹下社長は「この取り組みが他地区に広がって、違う世界の人たちと想像も付かない展開が広がるきっかけになれば」と期待。檜森さんは「昨年11月の県大会以降、練習を重ねた。受賞できてほっとした」と喜んだ。
 県勢では「定置網漁業における6次産業化の取組について」をテーマに発表した新上五島町の松園水産が、漁業経営改善部門で全国漁業協同組合連合会会長賞を受賞した。

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