島原をサッカー合宿の聖地に 「競技施設充実」 市実行委が積極誘致

大学サッカーフェスティバルの交流戦で切磋琢磨する早大と京産大の選手=長崎県島原市営平成町多目的広場

 長崎県島原市がサッカー合宿の誘致に力を入れている。全国の強豪校が集う第13回大学サッカーフェスティバル(4~8日)では選手ら延べ約2千人が宿泊。ホテルなどが活況を呈した。昨年度は20件で延べ6343人が宿泊しており、官民でつくる市スポーツキャンプ等誘致実行委員会は本年度はこれを上回ると見込む。
 同実行委の満井敏隆会長(島原商工会議所会頭)は「サッカーは1チーム当たりの宿泊者数が多く、経済効果が高い。充実した競技環境をアピールし、島原をスポーツ合宿の聖地にしたい」と意気込んでいる。
 市によると、実行委が昨年度誘致したスポーツ合宿や大会は40件(延べ宿泊者数1万305人)。サッカーが半数以上を占める。
 市内のサッカー施設は▽市営陸上競技場▽市営平成町多目的広場▽市営平成町人工芝グラウンド(県フットボールセンター)-の3カ所。芝生グラウンドは天然芝4、人工芝2の計6面あり、ほとんどが徒歩で行けるほど近接している。
 同フェスは2015年から島原市で継続開催され、今回は京産大や早大など12チーム約500人が参戦し、約50試合を展開。4月からのリーグ開幕に向け、各グラウンドで切磋琢磨(せっさたくま)し、トップチーム入りする選手を選抜していた。
 約40人を率いる京産大の古井裕之総監督は同フェスについて「強豪と認められたチームだけが呼ばれるキャンプ。23年も参戦し、全国レベルで競い合ったおかげで、昨季は創部初の関西1部リーグ制覇・インカレ準優勝ができた」と語る。
 7日の準決勝では京産大と早大が対戦し、Jリーグ関係者約30人も間近で見守った。J2、V・ファーレン長崎の高木琢也取締役兼クラブリレーションズオフィサーも観戦し「うちも島原で合宿しているが、グラウンドと宿泊施設との近さも魅力の一つ。全国からのアクセスが課題だが、島原道路が完成すれば大化けするのでは」と話した。
 同フェスの開催準備を担当しているサッカー専門の旅行代理店「エイチエムジャパン」の許重九(キョジュング)社長は「(日本代表でイングランド・プレミアリーグ、ブライトンの)三笘薫選手も筑波大チームの一員として参加したことがある。今回は島原市内だけでは宿泊施設が足りず、結果的に3チームが雲仙市で泊まったが、受け入れ態勢が整うと、選手の移動負担も少なくなるだろう」と今後の課題を挙げた。

© 株式会社長崎新聞社