長崎県警察史平成編を発刊 スタイル一新して親しみやすさプラス 写真やイラストを多用

長崎県警が新しく発刊した警察史(手前、右)と従来の辞書型の警察史

 長崎県警は「長崎県警察史平成編」(A4判、288ページ)を発刊した。28年ぶり4冊目の平成編(1989年~2019年)は、お堅いイメージのある警察活動を身近に感じてもらおうと、600点の写真や、イラストを多用するスタイルに一新。世代を問わず手に取ってもらい、若い人の採用にもつなげたいとしている。
 県警察史は、時代ごとにまとめた上巻・下巻、第三巻があるが、これまでは出来事を文字で説明する「辞書型」だった。
 警察官2人が殉職した雲仙・普賢岳大火砕流(91年)や、三菱重工業長崎造船所で起きた豪華客船ダイヤモンド・プリンセス火災(02年)、長崎市の男児誘拐殺害事件(03年)、2代続いた長崎市長銃撃事件(90年、07年)-。
 平成編には全国的に注目を集めた事件・事故の概要や現場で活動した警察官の写真を掲載。婦人警察官の初採用(92年)や、本部庁舎竣(しゅん)工(17年)などの記録を含め1年ごと、警察署ごとにまとめている。
 デザインは、県警職員の妻で長崎市の塩路有美さん(35)。雑誌編集の知識があったことから携わった。「読んでいて、もう1ページ開きたいと思える工夫を凝らした」。装備品や指名手配犯のイラストを探す「ミッション」のほか、歴代のパトカーの写真を「パト名鑑」として随所に載せる遊び心も盛り込んだ。県警によると柔らかいイメージの警察史は全国的に珍しいという。
 本部警務課の駒田優将警部補は「先輩たちが捜査し検挙して、平成の治安を作り上げてきたという部分も見てほしい。たくさんの人に手に取ってもらい、防犯意識を高めるきっかけになれば」と話している。
 昨年12月20日付発刊。県内の図書館などで読むことができる。

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