人材採用のプロセスに「ゲーム」導入…見るのは"ガクチカ"だけじゃない「集中力」 背景には「採用競争」激化も 地方の会社が独自の挑戦

売り手市場が続き企業の採用競争が激化する中、新たな手法で多様な人材を確保しようとする動きが進んでいます。人材採用のプロセスに、島根県出雲市の会社が導入したのは、「ゲーム」です。採用側は「集中力」も見ているようです。

”ゲーム”を採用に導入したのは、出雲市でアミューズメント事業などを手掛ける会社「丸三」です。

「採用が面白い会社は働いても面白い」というキャッチフレーズのもと、2月末から3月にかけて「ゲーミング採用」「メタバース採用」「脱出ゲーム採用」の3つの体験型説明会を開催する予定としています。

丸三 総務部人事課 教育担当者
「アミューズメントに興味のある学生だけでなく、会社の考え方や姿勢に共感してくれる学生にも興味を持って欲しいと考えました。若い世代にとって、ゲームは共通のツールですから、会社を知ってもらう良いきっかけだと思っています」

ゲームの結果が、そのまま合否には関わらないということですが、ゲームに打ち込む集中力は、仕事にも繋がっていくとの狙いもあります。

丸三 総務部人事課 教育担当者
「ガチガチに作り込んで緊張しながら臨むよりも、本人らしさを発揮することを大切にしてほしいです。いわゆる"ガクチカ"(学生時代に力を入れたこと)に、ゲームとは書きづらいというのが一般的だと思いますが、『その集中力は社会でも立派に役立ちます』というスタンスで、迎え入れたいと思っています。」

「ゲーミング採用」は、ゲーム好きな社員が主催。

学生と一緒にゲームをプレイするだけでなく、プロゲーマーとの対戦も行われます。

「メタバース採用」と「脱出ゲーム採用」は、オンライン上での謎解き型ゲームとなっていて、ほかの学生らと協力しながらクリアを目指すものです。

謎を解く過程で、会社の考え方や求められるスキルなどが見えてくるようになっているそうです。

売り手市場が続き、企業間の採用競争が激しくなる中、この会社では新卒初任給を引き上げるなどしていますが、より多くの学生を集め多様な人材を確保しようと、「新しい就活のスタイル」に挑戦しています。

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