シックスマン転向を受け入れたトンプソンが語る“現在地”「今でも凄い選手としてコートに立てている。信じられない成功だ」<DUNKSHOOT>

現地時間3月7日(日本時間8日、日付は以下同)、ゴールデンステイト・ウォリアーズはシカゴ・ブルズとの一戦を122-125で落とし、今季成績をウエスタン・カンファレンス10位の33勝29敗(勝率53.2%)とした。

この試合終盤、ウォリアーズはステフィン・カリーが右足首を負傷。MRI検査の結果、大ケガこそ回避できたものの、今季もチーム最多の平均26.9点に4.4リバウンド、4.9アシストを叩き出すスーパースターは数試合を欠場する見込みのため、厳しい状況となってしまった。

そこで期待がかかるのはクレイ・トンプソンだろう。“スプラッシュ・ブラザーズ”の片割れは、ブルズ戦で5本の3ポイントをヒット。チームトップの25得点に2アシスト、2スティールをマークした。

34歳のベテランウイングは、2月15日のユタ・ジャズ戦からシックスマンへ転向。途中、2試合で先発したとはいえ、オールスターブレイク後の9戦で平均15.0点、3.0リバウンド、2.0アシストにフィールドゴール成功率42.9%、3ポイント成功率41.3%を記録しており、貴重なベンチの得点源となっている。
8日に米メディア『Hoops Hype』へ公開された記事のなかで、トンプソンはベンチスタートの役割をこなすこと、そして自身の現在地についてこう話していた。

「僕にとっては勝つことがすべて。このフランチャイズは僕がやって来てから、ずっとそうやってきた。アンドレ・イグダーラが犠牲を払ったんだ。そして(2015年に)ファイナルMVPにもなった。

別に、僕が今シーズンにそれをやろうと言っているんじゃない。大ケガを乗り越えて、(全休した2シーズンを含めて)13シーズン目なのに、僕は今だって毎晩25~30分プレーできている。それって信じられない成功だし、凄い選手としてコートへ立てている。僕はどこからでも点を取れるし、ディフェンスもでき、なおかつ楽しんでできている」

このままトンプソンがシックスマンとして輝きを放ち、代わりに先発を務める若いジョナサン・クミンガやルーキーのブランディン・ポジェムスキーらが急成長を遂げれば、今季、さらには将来的にもチームに明るい未来が待っているに違いない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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