サクラマス食べ射水支援 姉妹都市・千曲市(長野)が販売企画、ますずし好評 昆布締めも

千曲市の宮澤係長(左から2人目)らにますずしを渡す村中課長(同3人目)ら=射水市役所大島分庁舎

 富山県の射水市内で完全養殖している「いみずサクラマス」のますずしと昆布締めが9日、能登半島地震の被災地支援企画として長野県千曲(ちくま)市の物産館などで販売された。両市が姉妹都市提携を結んでいることから実現した。売り上げの一部は義援金として射水市に寄付される。

 射水市は市内の堀岡養殖漁協などと連携し、富山湾の水深100メートルからくみ上げた海水を使い、生でも食べられる高付加価値のサクラマスを養殖している。今回の地震では、取水配管が損傷し陸上養殖施設が使えなくなったほか、観光需要の落ち込みでますずしの販売数が減るといった被害が出た。

 2月初めに千曲市から支援の申し出を受け、サクラマス関連商品を販売することが決定。同月下旬に、千曲市職員から注文を受けたますずし340個を提供したところ、「脂が上品でおいしい」などと好評だったという。

 9日は午前8時ごろ、射水市役所大島分庁舎で、まずすしを製造する「丸龍庵(がんりゅうあん)」(射水市善光寺・新湊)の木村圭社長、同漁協養殖チームの酒井克典リーダー、市職員らが予約分のますずし200個を千曲市側に引き渡した。

 3時間かけて商品を受け取りに来た千曲市農林課の宮澤勲生産振興係長は「今月下旬のイベントでも予約販売する予定。反響が大きければ取り組みを続けたい」と話す。射水市農林水産課の村中一也課長は「一日も早く日常を取り戻し、両市の交流がさらに盛んになるきっかけになれば」と期待した。

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