自宅で出来る!乗馬トレーニング

どんなスポーツにもいえることですが、試合など本番と同じ動きをする練習のほかに、その運動に必要な身体を作るためのトレーニングが重要です。今回は、乗馬の上達に役立つトレーニングのなかから、運動初心者でも自宅で簡単にできるものを紹介します。

柔軟ストレッチ

身体が硬い人でも馬にまたがること自体はできますが、そこで「上半身をもっと起こして」「足をこうして」など追加で指示が出たときに股関節がつらいと感じたことはないでしょうか?乗馬の上達のためには、特に下半身の柔軟性が大切です。

まず「身体が硬い」とはどのような状態なのか考えてみましょう。よく「関節が硬い」と言われたりしますが、実際に固まった状態になっているのは筋肉です。そのため、筋肉を徐々に伸ばしてあげれば自然と身体は柔らかくなるのです。

これを踏まえて股関節を柔らかくするなら、おすすめのストレッチはこちら!

①仰向けで膝を抱える
まずは脚をそろえてまっすぐ仰向けになります。そして、片方の脚は床に付けた状態のまま、膝を抱えるように反対側の脚を曲げましょう。ポイントは、伸ばしたままの脚が床から離れないことです。

そんな簡単なことで良いの?と思った方もいると思いますが、実際にやってみると意外と太腿~おしりの筋肉が伸びている!と実感できるはずです。曲げた方の膝がお腹に付かないという方は、背中・片方の脚をしっかり床に付けたままにすることを重視して、曲げるほうの脚は無理におなかに付けなくてもOK。慣れてきたら、徐々に付くようにしていきましょう。

②あぐらをかいたまま膝を上下に揺らす
あぐらといっても左右の脚は組まず、足の裏同士をくっつけたような状態で座ります。そして、この状態では多くの方が膝が床から浮いているはず。この膝を、床に近づけたり離したりするように小刻みに揺らします

最終目標は太腿の側面がぺったりと床に付くことですが、そこまで行かなくても徐々に柔軟性を実感できるはずなので慌てずに地道に続けましょう。むしろ、無理に床に付けようとして勢いをつけると、関節や筋肉を傷めてしまう可能性もありますので注意してくださいね。

体幹を鍛える

騎乗中に「腕や脚が疲れてきた…」と感じることはないでしょうか?実は、体幹の筋力が不十分なために腕や脚など末端の動きで補った結果として、必要以上に腕や脚が疲労してしまっている可能性があるのです。

体幹を鍛えるときに大切なのは、どんなトレーニングもゆっくりとすること。これは、乗馬で大切なのは瞬発力よりも筋持久力だからです。体幹トレーニングといえば腹筋・背筋ですが、たくさんの数をこなすことよりもゆっくりと、上半身が床から離れた状態を長めに保つことを意識しましょう。

また、腹筋と背筋を両方やるのは大変!という方には「プランク」というトレーニングもおすすめです。床にうつ伏せになって本を眺めるように、まずは床にお腹・肘を付けましょう。上の画像のような状態です。この状態から、つま先と肘だけで全身を支えるようにお腹・腰を床から浮かせます。

目標は、この状態を2~3分保つこと。時間を計るのも良いですが、3分くらいで終わる曲・動画を流すと気も紛れて続けやすいですよ。ポイントは、肘を90°に保つことと、首筋からかかとまでを一直線に保つこと。

疲れてくると肘が90°よりも曲がってしまったり、おしりが下がって背中が反ってしまったりする方も多いトレーニングです。ですが「何とか身体を浮かせておく」だけでなく正しい姿勢を保つことが重要なので頑張ってみましょう!

バランス感覚を身につける

乗馬で必要なバランス感覚としては「上半身のバランス」が重視されがちです。もちろん体幹を使って上半身のバランスを保つことは大切ですが、今回は体幹だけでなく「脚のバランス」に注目知多トレーニングもご紹介しますね。

上半身のバランス感覚

乗馬を始めたばかりの頃は、落馬するまいと足でガッチリ馬体を挟み込んだり、バランスを取ろうと腕に力が入ってしまい疲労困憊…という方もいるのではないでしょうか?

このように馬の上にとどまろうとしがみつくのでなく、力を抜いても鞍の上に座っていられるバランス感覚を鍛えることで、余計な筋力を使わず疲れにくくなります。節約できた筋力は、扶助や姿勢保持に回すことで上達も早まりそうですね。

体幹のバランスを鍛えるためには、バランスボールが役立ちます。まずはバランスボールに座ってみて、バランスのとり方に慣れていきます。少し慣れたら、次はバランスボールにまたがった状態で、足を床から離しても5分以上座っていられるように練習してみましょう。

足のバランス感覚

騎乗中に人間の身体を支えているのは、おしりと足の裏です。バランスボールではおしりで支えている上半身のバランスを鍛えるので、残るは脚のバランス。こちらは、ブロック(レンガ)などを使ったつま先立ちで鍛えるのがおすすめです。

ブロックなどを左右の鐙くらいの幅になるように置いて、そこに土踏まずよりもつま先側だけが乗るように脚を乗せます。つま先立ちとは言ってもかかとをあげる必要はなく、足裏は地面と平行に保ちましょう。

これをグラつかずにできるようになれば、鐙をつま先だけで軽く踏んで、いざ踏みしめるべき時にはしっかり力を入れることができるようになります。転倒すると危ないので、あまり大きな段差・周りにいろいろなものが置いてある環境でのトレーニングは避けてくださいね。

姿勢正しく過ごす

出典:『サライ.jp』運営:小学館

特に乗馬のトレーニングでは、いろいろな動きを時間をかけて行うことで筋肉の持久力が付いてきます。しかし、毎日トレーニングのためにたくさん時間を取るのは大変という方もいるでしょう。

そんなときにおすすめしたいのが、正しい姿勢で過ごすこと。「そんなことで本当にトレーニングになるの?」と疑問に感じるかもしれませんが、実際に姿勢を意識して1日過ごすと背筋や腹筋が筋肉痛になるという方もいます。

正しい姿勢を保とうとするときに注意すべきは、腰が反りすぎないことです。背筋を伸ばす感覚と背中を反らせる感覚は少し似ていますが、腹筋を使ってお腹が前に出ないように調整することで正しい姿勢が保ちやすくなるはずです。上の画像の「正常型」の姿勢を維持できるように、途中でガラスや鏡で姿勢を客観的に確認するのも良いでしょう。

まとめ

トレーニングによって騎乗者が適切な姿勢を保ちやすくなると、人間が楽になるだけでなく馬も動きやすいといわれています。毎日トレーニングを続けるのは大変ですが、馬のためにも地道にトレーニングを続けてみましょう!

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