「個性や多様性に理解を」トランスジェンダーの弁護士が訴え 京都府久御山町で講演

自身の経験を踏まえ、LGBTやジェンダー問題について語る仲岡しゅんさん(京都府久御山町役場)

 生まれた時の性と異なる性を生きるトランスジェンダー当事者で弁護士の仲岡しゅんさんがこのほど、京都府久御山町役場で講演した。自身の人生を振り返りつつ、個性や多様性を理解することの大切さを訴えた。

 仲岡さんは出生時の性別は男性で、現在は女性として弁護士活動をしている。主にLGBTやジェンダーなどに関する相談を扱っている。

 20代まで男性として生活し、自身の性の認識について「ごまかしていた。もやもやとした気持ちを抱えて大人になった」と話した。偶然訪れたトランスジェンダーらの交流会で、当事者から指摘されたことがきっかけでトランスジェンダーとして生きるようになったという。

 LGBTを巡り、インターネット上で「人口減少の原因」といった発言が広がることについて「イギリスなど同性婚が認められている国の方が日本より出生率が高く、人口の話とは全く関係がない。合理的に考えることが大事」と強調した。

 体育の授業で男子は柔道、女子はダンスなどと性差があったことに触れ「五輪の柔道で女性が活躍しているのにおかしい。性で区別するのではなく、個人の特性に応じてできるよう選択肢があった方がいい」と語った。

 講演は男女共同参画について考えてもらう狙いで町が主催し、住民約50人が参加した。

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