震災機に誕生のいわきFC、J2今季初勝利 サポーターに歓喜届ける

今季J2初勝利に沸くいわきFCのサポーター

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から13年を前に、いわきFCが地元のサポーターと共に今季初勝利をもぎ取った。福島県いわき市のハワイアンズスタジアム(いわきグリーンフィールド)で9日に行われた明治安田サッカーJ2の第3節。赤きイレブンが鹿児島ユナイテッドFCから3点を奪い、約3600人を集めた一戦を制した。

 田村雄三監督(41)は試合前に「(震災への)思いを背負う必要はないが、いわきらしいプレーを体現するのが見に来てくれる人のためになる」と選手を送り出した。試合は後半に一時追いつかれたが、サポーターの後押しを受けて勝ち越した。最古参のMF山下優人選手(27)は攻め勝って得た白星に「必死に前向きに戦う姿を見せれば、元気や希望を届けられると思って戦った」と胸を張った。

 ゴール裏で声を出したいわき市の会社員、加藤敏幸さん(55)はチームから力をもらっているという。市内平沼ノ内の自宅は津波の被害に遭った。「いわきの『止まらない、倒れない』スタイルに元気づけられている」と今季初の勝ち点3を喜び、「これからもチームとサポーターが互いに支え合っていく」と誓った。

 震災を機に生まれたクラブはサポーターや浜通りの住民の活力となっている。

今季初勝利し、サポーターと喜ぶいわきFCイレブン

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