【ソロ活】ひとり旅を楽しめるようになるには?|中道あんさん、石原加受子さんがアドバイス

「ソロ活に挑戦」「ひとりの時間を充実させたい」と思っても、いざとなると何をしていいかわからない……という声を聞きます。誰もがはじめから「ひとり上手」なわけではありません。そこでおひとりさまの達人と、心理カウンセラーにそれぞれの視点からアドバイスをいただきました。

PROFILE
著述家 中道あんさん

なかみち・あん●1963年大阪府生まれ。
「アラフィフの生き方ブログ 50代を丁寧に生きる、あんさん流」主宰。
26歳で結婚し2男1女を授かり、結婚22年で夫と別居。10年前、ブログを始め大ブレイク。
著書に『ビバ!還暦 60歳海外ひとり旅はじめました』(3月22日発売予定 主婦の友社)など。

PROFILE
心理カウンセラー 石原加受子さん

いしはら・かずこ●「自分中心心理学」を提唱する、心理相談研究所オールイズワン代表。思考・感情・五感・イメージ・呼吸・声などをトータルにとらえた独自の心理学、問題解決法でカウンセリングなどを行う。
『誰にも言えない「さみしさ」がすっきり消える本』(SBクリエイティブ)など著書多数。

【相談①】ひとり時間をどう過ごしたらいい?

子どもが独立し、これからは自由に自分の世界を広げたいと思います。でも、ひとりで行動したことがほとんどなく、習い事や趣味のサークルに「ひとり参加」する勇気がありません。何から始めたらいいでしょうか。

【中道さんのアドバイス】最初にすべきは「人生の棚卸し」。 あなたは何が好きで何が苦手? 興味のあることから始めましょう

私は48歳で夫と別居しました。子どもはいましたが、思いがけずアラフィフでおひとりさま生活がスタートしたのです。

その頃私は、同世代のおひとりさまはどう暮らしているのか知りたくて、さまざまなブログを閲覧しました。でも私の求める答えは見つからなかった。息子のすすめもあって「だったら自分でブログを始めよう」と決意。ブログを休まず続けることで、60代までの10年を充実させると決めたのです。

何かを始めたいと思うなら、大事なことは「自分を知る」ことだと思います。過去を振り返って、「私ってこんなことが好きだった」「こんな場面でつまずいた」など、自分について考えてみましょう。自分を知らなければ、どこに行けばいいか、どう振る舞えばいいかが見えてきません。ひとりで動く勇気も出ないでしょう。ずっと家族のために生きてきた人ならなおさら、「人生の棚卸し」を!

もし単純に「ひとりで行動したことがないから、始めてみたい」と思うのであれば、最初は映画館や美術館などがいいと思います。何人で行っても、館内では基本ひとり。周囲の目が気にならず、楽しめますよ。

【石原さんのアドバイス】「やりたい? やりたくない?」 常に自分に問いかけながら、 やりたいことを見つけていこう

自由な時間を手に入れたとたん「私は何をしたらいいの?」と不安になる女性は多いものです。家族のお世話ばかりしてきて、自分のことを振り返る機会がなかった人ほど、「あなたはどうしたい?」と聞かれるとわからなくなってしまいがち。

ですから、いきなり習い事や趣味のサークルに入るのではなく、自分は今どんな気持ちなのかを、常に感じる練習をしてほしいと思います。

たとえば朝、目が覚めたとき、「起きたいのか、もう少し寝ていたいのか」を自分に問いかけてください。寝ていたかったらもう一度寝てしまいましょう。料理も「したいか、したくないか」と自分に問いかけて、いやなら作らないという選択をしてみます。

大事なことは、その気持ちに罪悪感をもたないこと。「家族に悪いから」と思う気持ちの前に、「でも私はリフレッシュできてよかった!」という自分目線に置きかえます。やりたいことに気づき、行動できるようになると、自己信頼感が高まり、それが自信につながり、ひとりでの行動を楽しめるようになります。もちろん、家族にはその理由を伝え、理解してもらいましょう。

CHECK! ブログやインスタなど SNSを活用してみませんか

「中高年のおひとりさまのSNSは爆伸びしているんですよ」と中道あんさん。確かにブログやYouTube、インスタグラムなどで検索すると次々にヒット。見ると「こんな暮らし方もある」「ひとり旅って楽しそう」とワクワクするが、中道さんは「読むだけでなく、発信者になって」とアドバイス。「発信するために活動的になりますし、『いいね!』がつくとうれしい。似た価値観の友人ができるかもしれません。自己成長にもつながりますよ」

【相談②】ひとり旅を楽しめるようになりたい

ソロ活初心者です。「いつかはひとり旅をする」が目標ですが、まずはどんな旅から始めたらいいでしょうか。「ひとり旅上手」への道を教えてください。

【中道さんのアドバイス】まずは日帰り旅行から。 小さな成功体験を積み重ねて

初めてのひとり旅なら、日帰り旅行がおすすめです。もし寂しくなっても、日帰りなら帰ってくればいいだけです。

たとえば近場の温泉の日帰り入浴プランを予約し、ゆっくりお風呂につかって、ランチを食べて、自分をいたわってあげてみては。日中は宿も客が少ないですし、同行者がいない代わりにお風呂も食事も風景もひとり占めできますよ。

実は、ここで「ひとり占め」と思えるか「ひとりぼっち」と思うかが、ひとり旅に向くかどうかの分かれ道。自分には向かないと思ったら、無理にひとり旅をする必要はありません。

自分でプランニングするのが苦手なら、おひとりさま向けの日帰りツアーもあります。

でも、人任せにせず自分で決めて動くって楽しいものです。行きたい場所に行けるし、食べたいものが食べられる。うまくいっても失敗しても、全部自己責任。だからこそ自信がつくし、小さな成功体験になります。成功は大きくても小さくても成功なのですから。

※この記事は「ゆうゆう」2024年4月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

取材・文/神 素子


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