前の住まいに戻りたいのに... 栃木県内の東日本大震災避難者今も1159人 減少幅は年々小さく、進む定住化

 栃木県内では今も、東日本大震災の避難者計1159人が暮らす。ピーク時からは約3分の1にまで減少したものの、避難生活は長期化し、定住化が進んでいる。

 復興庁は避難者を「震災で住居を移した後、前の住居に戻る意思を持つ人」と定義している。

 県危機管理課によると、県内の避難者は福島県から1150人、岩手県から9人。この1年で変動はない。避難先は県内の20市町で、最多の宇都宮市が300人、那須塩原市162人、小山市119人と続く。住まいは賃貸住宅や親族・知人宅が多いという。

 同庁の統計によると、全国の避難者は2万9328人。最も多かった34万6987人から9割以上減少した。本県のピークは2012年2月の3197人。同庁担当者は「減少幅は年々小さくなっている。定職や家を持ち、生活基盤ができるなどの理由が考えられる」と話した。

 県は震災発生時の11年3月から任意の登録制度で避難者数を把握してきた。年月の経過で実態との乖離(かいり)が発生し、国が22年に各都道府県と共に本格的な調査を実施した。このため同年4月以降の避難者数は、大幅に引き下げられた。

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