石川や富山から学生戻らなくなった…福井県がUターン策強化 北陸新幹線が影響?「福井延伸で反転へ」

福井県外の大学に進学した学生のUターン率

 北信越(石川、富山、長野、新潟)の大学に進学した福井県内出身の学生のUターン率に減少傾向がうかがえるとして、福井県は就職支援策の強化に乗り出した。2月に北陸で初めて金沢学院大学など2校と就職支援協定を締結したほか、新年度から就職支援の北陸担当アドバイザーを設置。県内就職先や就活支援策などの情報提供に力を入れる。

 県の進路実態調査によると県外大学に進学した学生数は、2019年3月卒以降の5年間累計で京都が2629人でトップ。次いで石川に1759人が進学。大阪の1666人、東京1531人を上回り、北信越は関西、関東に並ぶ進学先となっている。

 一方、県内事業所を対象とした県の採用状況調査によると、県外大学新卒者のUターン率は近年30%前後で推移。その中で北信越はおおむね40%台前半を維持していたが、21年3月は37.8%にとどまった。22年3月は40.9%に回復したものの、23年3月は前年比4.2ポイント減の36.7%に低下。減少幅は関東の前年比3.4ポイント減(Uターン率11.8%)より大きかった。

 県定住交流課は「北陸新幹線の金沢開業後、交通アクセスが良くなって関東圏の企業からのリクルート活動が北陸エリアでも強まっているのではないか」と推測。新幹線県内延伸を好機として「減少傾向の反転に向けて早めの対策を打ちたい」としている。

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