ヨーカドー後継「ロピア」どんな店? 低価格、大容量 核家族に照準 青森県進出「全国展開の起点に」

大容量、低価格の商品が並ぶロピア仙台ヨドバシ店=2月下旬、仙台市
店内で焼き上げる人気の手作りピザ
お得な精肉やチーフが開発した「鮭はらこ飯」などの自社商品、プライベートブランドも好評だ

 OIC(オイシー)グループ(川崎市、髙木勇輔代表取締役)の食品スーパー「ロピア」が、イトーヨーカドー青森店、弘前店、五所川原店の後継として今夏から順次、青森県に初進出する。低コスト化により、低価格で大容量な商品を販売しているのが特徴で、30~40代の核家族層を主要なターゲットとする。生産から販売まで自社で手がける「食品総合流通業」を強みに急成長を遂げており、全国展開を目指す一環で青森県への出店を決めた。

 ロピアのコンセプトは「ロープライスのユートピア」。低価格の実現の背景には徹底したコスト管理がある。

 ロピア商品の特徴の一つの大容量パックは、個別包装よりもコストを削減できるから。現金払いのみなのはクレジットカード会社に支払う手数料を商品価格に還元するためだ。飲料は基本的に常温販売で価格を抑える。買い物カートの利用に100円かかり、元の位置に戻すと返金される仕組みを取り入れているのも、カートを整理する人件費の抑制につながるからだ。

 ロピアの親会社OICグループは生産、製造、流通、販売を自社で行う食品総合流通業を掲げる。積極的なM&A(合併・買収)で養鶏場や総菜会社、しょうゆメーカー、貿易・卸会社、青果に強い食品スーパー「アキダイ」など20社超を傘下に置く。傘下企業などがプライベートブランド(PB)を開発することで、低価格で独自性のある商品づくりを実践。グループ会社は2032年2月期までに100社を目指す。

 OICグループの23年2月期の売上高は前期比37.9%増の3401億円。32年2月期までに売上高2兆円を目標にしている。台湾の3店を含め、国内は関東を中心に計89店(2月末時点)を展開しており、ヨーカドーの後継店として青森県や北海道などへの初出店を決め、全国展開への地盤を固めている。全店舗の9割が「居抜き」物件であることがスピーディーな出店と店舗網拡大につながっている。

 青森県進出に向けOICグループの広報担当者は「全国に店舗を拡大する起点となればいい。食材の宝庫で生産者との距離が近いのが青森県。地域に寄り添った店にしたい。食を通じてお客さまを楽しませたい」と話す。一方、同グループはヨーカドー青森店、弘前店の運営方針をまだ明らかにしていない。衣料品や日用品などの売り場について「テナント誘致するかどうか調整中」としている。

 県内のヨーカドーのうち青森店は8月ごろ、弘前店は10月ごろにOICに引き渡しとなる予定。五所川原店は3月末に閉店し、夏ごろにエルムの核テナントとしてロピアが出店する見通し。8月ごろに閉店する八戸沼館店が入るピアドゥの運営会社は後継テナント誘致に向け、交渉を進めている。

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