安くて助かる沖縄の制服リユース6店 子育てを応援 県立高校入試の合格発表日には行列も 

 卒業式や入学式のシーズンに入り、県内のリユース制服店は多様な取り組みで子育て世帯の家計を助けている。新品の6~9割引きといったお手頃価格での販売の他、ひとり親家庭は無償にしたり、ランドセルを譲ったりと、思いやりのリレーがつながる。利用客は県立高校入試合格発表日の14日にピークを迎える。(デジタル編集部・新里健)

 豊見城市で中学校の新入生向けオリエンテーションが開かれた直後の2月上旬。6中高の約600着を扱う同市嘉数の「すまいる」には多い日で1日20組の親子が買いに訪れた。店主の浦崎清美さんは「自分の子に着せたいと思える質の高い服を売りたい」と修繕が必要な物は扱ってこなかった。しかし、保護者から「卒業式や入試の面接用に少しでも安く」と強い要望を受け、昨年からミシンの腕前を生かして補修した制服を一律千円で販売し始めた。

 本島全域の約2万着を取りそろえる浦添市の「ゆいまぁる」は3月から、ひとり親や生活保護を受ける世帯に制服を無償提供する。「1着目が買えず困っている家庭を応援したい」と代表の與那城寿恵子さん。その費用を賄うための寄付金も歓迎している。

 沖縄市美原の「子ども応援団笑(わら)びん」は昨年11月、同市安慶田とうるま市川崎に協力店をオープンした。3店で本島中部の計33校約2500着を扱う。代表の森田好美さんは「地元のシニア世代2人が運営に手を挙げてくれた。安心して任せられます」と感謝する。

 制服以外の品ぞろえも多彩だ。約1100着を扱う「さくらや宮古島店」は昨年末、ランドセルの寄贈も受け始めた。現在、店内には5個が並び、希望する家庭に無償で提供する。

 「名護市エコステ3Rなごころ」は昨年、会員向けに市内の小中高20校の約400着を販売した。登録料200円を払い会員になると、小学生の式服を1着300円で買える他、体育着や笛を無償で譲ってもらえる。

 那覇中を中心に市内8中高の約700着を扱う「大和商会」は新品の「訳あり」体育館シューズも仕入れて安く販売する。店内にずらりと並ぶ駄菓子も魅力だ。

「すまいる」店主の浦崎清美さん。豊見城市と八重瀬町の2店を切り盛りする=2月22日、豊見城市嘉数

© 株式会社沖縄タイムス社