被災地支援の在り方は/弘大生ら活動報告 #知り続ける

能登半島地震で被災した現地の様子を説明する大門准教授

 弘前大学地域創生本部ボランティアセンターは10日、青森県弘前市内で本年度の活動報告会を開き、学生や有識者が被災地支援の在り方について意見を交わした。会場、オンライン合わせ約20人が参加した。

 地域防災を専門とする福知山公立大学(京都府福知山市)の大門大朗(だいもん・ひろあき)准教授は、能登半島地震の被災地に7回出向き、ボランティア活動を行ったことを紹介。「現地では人手も物資も足りず、復旧にはほど遠い状況」と指摘した。

 2011年の東日本大震災や16年の熊本地震と比べ、現地で活動するボランティア数の少なさを懸念。石川県が発災直後、ボランティアの被災地入りを控えるよう呼びかけたことに関連し「過去の災害でも自治体が似た呼びかけをしたことがあったが、行政のメッセージに市民の側が従っているのが今回の特徴。ボランティアを混乱の種と見るのではなく、復興のパートナーとして受け入れる発想も必要」と話した。

 また「能登半島地震は復興までに5~10年はかかる。ボランティア登録をしたり、過去の災害について仲間と勉強会を開いたりするのが有効だ」と語った。

 ほかに、東日本大震災で被災した岩手県野田村での支援活動について弘大生が報告。人文社会科学部3年の加藤里花さんは「『あまりお手伝いできなかった』と話したら、村民の方が『来てくれただけでうれしい』と言ってくれた。現地に足を運ぶ大切さを実感した」と話した。

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