足利市内の無人神社で屋根の銅板はがされる 窃盗か、被害相次ぐ 「不審者見たら情報提供を」

屋根の銅板がはがれている「女浅間」本殿

 栃木県足利市内で昨年10月中旬から、神社の屋根の銅板がはがされ、盗まれたとみられる被害が相次いでいる。県神社庁足利支部などによると、先月末までに5件の被害が発生。いずれも宮司などが常駐していない神社を中心に起きている。足利署も警戒を強めており、「不審者などを見かけたら、情報提供してほしい」と呼びかけている。

 同支部などによると、被害は昨年10月15日に足利富士浅間神社(田中町)の上宮(男浅間)の本殿で最初に確認された。同16~17日には西宮神社(西宮町)の境内社2社の屋根の銅板がはがされているのが見つかった。同27日には阿夫利神社(西場町)の本殿、11月12日には飯有神社(福居町)の境内末社2社、今年2月29日には足利富士浅間神社の下宮(女浅間)の本殿と拝殿の屋根の被害が見つかった。飯有神社では、末社のうちの一つがひっくり返され、銅板がなくなっていたという。

 同支部の提箸照之(さげはしてるゆき)事務局長(50)は、実際は同支部が把握する以上の被害が発生しているとみている。いずれも人けのない夜間帯に起きているとみられ、宮司らに対し、低予算でできる警備手法の共有などをしたいとしつつ「皆さんにも目を光らせてお参りしていただきたい」と話す。

 宮司を兼務する神社が被害に遭った島田八坂神社(島田町)の小堀巧人(こぼりたくと)宮司(29)は「地域の方などが気持ちを込めて守ってきた神社。憤りを感じる」と語気を強める。人が常駐していない神社では地域の総代らが見回りを担っていることがほとんどだが、頻度はそれぞれ異なる。小堀宮司は「防犯カメラの導入を検討しつつ、地域の見回りを増やしていきたい」とする。

 市内の古物商によると、神社の屋根に使われている種類の銅の価格は最近値上がり傾向にあるといい、1キログラム当たり約千円~1100円程度で買い取られているという。

屋根の銅板がはがれている「女浅間」本殿

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