避難所、鍵箱を自動解錠 高岡市が導入へ 震度5以上感知で

能登半島地震の発生後、避難所に身を寄せた住民=1月1日午後7時、高岡市横田小

  ●住民でも可能 職員待たず、早期開放

 高岡市は大地震発生時、避難所の鍵を地域住民でも開けられる設備を導入する方針を固めた。外付けのボックスに鍵を入れ、震度5以上の揺れを感知すると自動で解錠して鍵を取り出せる仕組みで、市職員の到着を待たずに避難住民がいち早く施設内に入れる。導入時期や設置数などの詳細は新年度に詰める。

 高岡市で震度5強を観測した能登半島地震では、発生直後に市災害対策本部から避難所を開設するよう指示が出された。ただ、元日ということもあって市職員の到着に時間がかかり、発災から約6時間後にようやく最大86カ所の開設が完了した。

 このため、避難所の鍵を入れたボックスを外部に設置し、緊急時に誰でも鍵を取り出して避難所を開放できるようにすることがより良い方策と判断した。

 住民が先に到着した場合、避難所の安全確認を誰がするかなど解決しなければならない課題はあるが、市では緊急時に備え、避難所を早期開設できるように検討を進める。

 自動解錠式の鍵庫は、県内では黒部市の生地鼻灯台に設置されており、津波発生時、灯台内に緊急避難できる。テレビやラジオの緊急放送を受けて鍵庫が開く仕組みという。高岡では、地震感知に加え、ダイヤル式で解錠できる機能も想定している。

 能登半島地震では、高岡、富山両市で、市職員より早く到着した住民が窓ガラスを割って避難所の中に入る事例が確認された。住民がけがをする可能性もあり、いかに早く避難所を開けるかが各自治体の課題となっている。

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