隣県支援の継続意欲 新田知事が能登視察

被災した朝市通りを視察する新田知事=輪島市内(富山県提供)

  ●発災後初

 富山県の新田八朗知事は10日、能登半島地震の発災後初めて能登地方を訪れ、輪島市では火災で大半が焼失した朝市通り周辺などを視察した。新田知事は石川から県外への2次避難者の8割を富山県が受け入れている状況を挙げ、「馳浩(石川県)知事からは、富山に避難したいという人が多いと聞く。今後も、そうした方々をしっかり受け入れたい」と隣県として支援の継続に意欲を示した。

 新田知事は、石川県からの要請があれば、富山県からの警察、消防支援隊派遣を再開できる準備は整っているとした。現在、石川からの避難者受け入れ数は患者・高齢者約160人、2次避難者350人以上とし、「(富山分県の)140年前までは同じ県だった縁がある」と両県の絆の深さを強調した。

 この日、新田知事は、富大出身の医師夫婦が運営するクリニックや輪島市社会福祉協議会を訪問し、被災状況や現在の取り組みを聞き取った。輪島市役所では坂口茂市長と面会した。

 輪島市に先立ち、七尾市文化ホール内の災害ボランティアセンターを訪れ、富山県から来たボランティア30人を前に「支援に取り組む皆さんの熱い思いが被災者の背中を押すことになる」と激励した。

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