「レースを台無しにした」マグヌッセンの行為をRBが非難! 角田裕毅は自身のミスを認め反省「苦しんだ理由を見極める」

2024年F1第2戦のサウジアラビア・グランプリは3月9日に決勝が行なわれ、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は14位でフィニッシュし、後にレコノサンスラップでのアンセーフリリースによる5秒加算ペナルティーで、最終順位は15位に確定している。

予選で9番手につけたことで入賞への期待が大きかった角田だが、序盤のランス・ストロール(アストンマーティン)のクラッシュによるセーフティーカー出動によってレースは混沌となり、再開後はケビン・マグヌッセン(ハース)にコース外から追い抜かれた挙句に“蓋”をされ、抜き返そうとしたところでコース外に押し出されてさらに順位を落とす羽目となった。

残念な結果に終わった後、角田は「今日は難しいレースでした。幾つかミスを犯し、前の車を追い抜こうとしている時に、逆に後ろの車を先行させてしまいました。これは僕の責任です。今日はペースとグリップの不足に苦しみ、ドライビングが難しかったです。ポジティブな面では、予選で力強い走りを見せられました。これからレースペースを見直し、苦しんだ理由を見極めます。改善点はあるので、それを見直し、今後のために教訓を活かしていきます」と、チームの公式サイトを通してコメントを残している。

自身のパフォーマンスにのみ言及した角田とは対照的に、乱暴に彼の前に出た後、意図的にラップタイムを落とし、チームメイトのニコ・ヒュルケンベルクにピットインしてさらにライバルとのギャップを広げるための時間稼ぎをしたマグヌッセンの行為に対し、RBのレーシングディレクターであるアラン・パーメインは批判の声を上げた。

「マグヌッセンは意図的にコース外に出てユウキを追い抜き、その後、最大で2秒もラップタイムを落として走行した。我々としては、これは正しくない行為だと考えており、まさにスポーツマンシップに欠けるものだ。今後のレースのために、FIA(国際自動車連盟)とはこの件について話し合うことになるだろう」
またチーム代表のローラン・メキーズも、「週末中の多くの良い仕事の後で、我々は非常に失望すべき結果に終わった。ユウキは10位以内が可能なポジションで戦っていた。(中略)マグヌッセンに課せられたペナルティー(計20秒加算)は意味をなさなくなり、ユウキのレースを台無しにした。昨日の素晴らしい予選の後の、失望のフィニッシュだった」と語っている。
各国専門メディアの角田に対する記述を見ると、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は、「ユウキはサウジで14位(レース終了時)に終わり、自身の最高のパフォーマンスを発揮できなかったことを認めている。彼はRB が『VCARB01』から最適なセッティングを見つけられなかったことを残念に思っている」と、テクニカルな点に言及した。

そして英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、「ユウキのフラストレーションが溜まるシーズンのスタートは続いている。開幕戦バーレーンGPでの、ダニエル・リカルドとのチームオーダーをめぐるトラブルの後、より落ち着いた週末が必要だとしてサウジGPに臨んだ角田。コース上ではクリーンなレースを保ったが、その後にペナルティーを受け、再び苛立ちの感情が生まれたことだろう」と、ここまでネガティブな歩みとなっていることを強調している。

構成●THE DIGEST編集部

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