「車の運転手は、右後ろからの路面電車の接近に注意」 “路面電車のまち” でドライバーが学ぶ “死角” 制動距離は車の2倍以上

路面電車と自動車の事故を防ごうと、広島電鉄の運転士とドライバーが意見を交わしました

路面電車のドライブレコーダーがとらえた、右折やUターンをする自動車との接触事故です。

路面電車のまち・広島で、特に注意が必要な事故を知ってもらおうと、JAFが開いた「電車とクルマのセーフティースクール」です。事前に募集したドライバー10人が参加しました。はじめに車庫の中で、路面電車の制動距離は自動車の2倍以上あることや、運転士と自動車ドライバーそれぞれの視点や死角などについて学びました

広島電鉄 運転士
「(サイドミラーで電車は)案外、遠くに見える…」

参加者
「『路面電車はスピード出ない』と思っていると(軌道に)入ってしまう」

広島電鉄 運転士
「そういうところが事故につながる」

このあと貸し切り電車で運転席の隣りに座り、事故が起きやすい場所の説明を受けたり、急ブレーキなどを体験したりしました

広島電鉄 運転士
「右折する車が前にいるので気をつけながら、入ってきてもすぐ手前で止まれるくらいの速度で運転しております」

広島電鉄によりますと、路面電車と自動車の接触事故は昨年度、24件発生しました。このうち、電車と併走しているときに自動車の「右後ろ」の確認不足による事故は16件でした

参加者たち
「軌道内に車が入らないとか、ついつい行けるんじゃないかという思い込み、そういうのをなくしてドライバーが止まる意識を高めたい」
「(電車が)急ブレーキかけた時点で事故になる。車側が気をつかってあげないと」

JAF 広島支部事業部 岩崎幹児 課長
「自動車の運転手には、死角・右後ろを自分の目で見て確認して路面電車の接近に気をつけていただけたら」

広電とJAFは今後も事故防止の取り組みを続けたいとしています。

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