「一手一手 しっかり考えて指していることが伝わりうれしい」藤井聡太八冠が子どもたちと“対局” 王将戦防衛で“消滅”もイベントに招いたワケ

将棋の藤井聡太八冠が週末、静岡県掛川市を訪れ、地元の子どもたちと触れ合いました。このイベント、将棋の王将戦の代わりに開かれたものですが、その狙いを探りました。

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緊張した面持ちで将棋盤を見つめる子どもたち。3月9日、掛川市の小中学生と一度に対局する多面指しをしていたのは藤井聡太八冠です。

藤井八冠は2月、将棋の八大タイトルの1つ「王将戦」を負けなしの4連勝で防衛しました。実は掛川市は、王将戦第6局の会場に選ばれていたものの、藤井八冠の圧倒的な強さで対局自体が消滅。その代わり、掛川市は地元の人たちと触れ合うイベントを企画し、藤井八冠に来てもらうことに成功しました。

<藤井聡太八冠>
「あと本当に一歩というところだったかなと(パチ、パチ)こういった形。向こうをとって…この2つをとる。ハッキリ手がならんだと。これからもこの調子で」
<参加した子ども>
「ありがとうございました」

参加した子どもたちは真剣なまなざしで駒を進め、憧れのプロ棋士たちに指導を仰いでいました。

<小学4年生(将棋歴3か月)>
「藤井さんがすごく強くてかっこよかったから、それをマネできたら良いと思いました」
<中学1年生(将棋歴3年)>
「最後、終盤の詰め方とか、強い駒のうまい使い方とか教えてくださって、すごく勉強になりました。これからも、将棋ぼく大好きなので、頑張っていきたいと思います」

対局がなくなった場合に代替イベントを行うのは決まりではありませんが、藤井八冠と触れ合える特別な機会を地元の子どもたちに与え、将棋のすそ野を広げたいという掛川市の提案が実現した形です。

<藤井聡太八冠>
「みなさんが一手一手、しっかり考えて指していることが伝わってきて、こちらもすごくうれしく思いました。ぜひこれからも楽しんで将棋を続けていってくれたらと思います」

その一挙手一投足が注目を集まる藤井八冠。若い世代に夢を与えることで掛川市に新たな将棋の輪が広がった一日でした。

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