勿忘の鐘鳴らす 高岡・林照寺、犠牲者しのぶ

鐘をつく堀部住職=高岡市福岡町大野

 高岡市福岡町大野の真宗大谷派林照寺で11日、東日本大震災の発生時刻に合わせて鐘を突く「勿忘(わすれな)の鐘」が行われ、堀部知之住職や門徒8人が犠牲者をしのんだ。

 午後2時46分、堀部住職が鐘を3回響かせた。集まった門徒も手を合わせて黙とうし、順に鐘を突いた。

 堀部住職は震災後、津波で流された鐘を探すボランティアで何度も岩手県陸前高田市へ足を運んだ。まちに爆弾が落ちたような光景は目に焼き付いているとして、「震災当時と、復興した今の陸前高田市が頭に浮かんだ。記憶が風化しないようにこれからもずっと鐘を突く」と語った。

 能登半島地震発生後、堀部住職を含む市内の真宗大谷派の住職ら10人は、1月7日までに七尾市の教務所へ救援物資を計5回届けた。堀部住職は「能登には真宗大谷派の門徒さんが多くいるので、支えていただいた恩をこれから返したい」と話した。

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