米天然ガスEQT、パイプライン運営のエクイトランスを55億ドルで買収

Mrinalika Roy

[11日 ロイター] - 米天然ガス生産最大手EQTは11日、パイプライン運営会社エクイトランス・ミッドストリームを約55億ドルで買収することに合意したと発表した。市況が低迷する中で、コスト圧縮を図る狙いがある。

エクイトランスはEQTから2018年に分離・独立した企業で、EQTが改めて傘下に収める形。買収は全額株式交換方式で、エクイトランスの普通株1株に対してEQTの0.3504株を割り当てる。手続きは第4・四半期中に完了する見通しだ。

両社によると、統合を通じて2000マイル強のパイプラインが新たに加わり、天然ガスを生産して市場近くまで輸送するコストが低下する。

天然ガス価格は世界的に落ち込み、業界各社は生産や採掘関連支出の抑制を強いられている。EQTも今月、天然ガス生産を日量10億立方フィート弱減らした。

EQTのトビー・ライス最高経営責任者(CEO)は「この垂直統合により、EQTは米国で最も低コストの天然ガス生産者になる。こうしたビジネスモデルは次第に投資家から大変望まれるようになる」と述べた。

ただ足元では投資家の反応は厳しい。両社の合計債務が134億ドルに達する半面、期待できるシナジー効果が年間2億5000万ドルにとどまるためで、EQTの株価は大きく下落した。

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